競技ダンスの順位決定法「スケーティング・システム」

スケーティング・システムとは

スケーティング・システム(Skating System)とは、競技者同士の相対評価によって採点された複数の審査員の順位結果を集計し、過半数の支持を得た順位を競技者に与えていく順位決定方式のこと。日本ボールルームダンス連盟にて採用される決定方式。

ダンス競技会における順位の決定方法(JBDF)

スケーティング・システム”ではない”順位例

以下はスケーティング・システム“ではない”順位例(抜粋)。各採点の平均値にもとづき1.00位に近い順から順位を決定する方法。

選手Aは悪評(最下位の7位)をつける少数派の審査員の採点により平均値が高くなった結果、順位が3位となる。

採点 平均値 順位
選手A 1 1 7 1 5 1 7 3.28 3位
選手B 2 3 1 3 1 3 1 2.00 1位
選手C 7 2 2 2 2 5 2 3.14 2位

 

スケーティング・システムの順位例

以下はスケーティング・システムによる順位例(抜粋)。順位の過半数を取得している選手に対してその順位を与えていく方法。

選手Aは好評(1位)をつける多数派の審査員の採点により、1位が決定する。

採点 順位
選手A 1 1 7 1 5 1 7 1位
選手B 2 3 1 3 1 3 1 3位
選手C 7 2 2 2 2 5 2 2位

スケーティング・システムの具体的な順位決定手順

下記の採点例をもとに、スケーティング・システムの具体的な順位決定手順を解説する。

選手A 1 1 7 1 5 1 7
選手B 2 3 1 3 1 3 1
選手C 7 2 2 2 2 5 2
選手D 3 4 3 4 4 4 6
選手E 4 6 4 5 3 2 4
選手F 6 5 5 6 7 7 3
選手G 5 7 6 7 6 6 5

手順1:中央の順位を抽出

各審査員がつけた順位を上位から順番に並べたとき、ちょうど中央に位置する順位が原則として当該競技者の順位となる。順位の決定は1位から順に行っていく。

採点 中央順位
選手A 1 1 1 1 5 7 7 1位(決定)
選手B 1 1 1 2 3 3 3 2位(暫定)
選手C 2 2 2 2 2 5 7 2位(暫定)
選手D 3 3 4 4 4 4 6 4位(暫定)
選手E 3 3 4 4 4 5 6 4位(暫定)
選手F 2 5 5 6 6 7 7 6位(暫定)
選手G 5 5 6 6 6 7 7 6位(暫定)

 

上記例で言うと、過半数の審査員から1位を獲得し中央値が1位となっている選手Aの1位が決定する。

順位の該当者が複数いる2位(選手B,C)、4位(選手D,E)、6位(選手F,G)は以下の手順2によって順位を決定する。

手順2:中央順位”以内”の個数を比較

中央順位”以内”の個数を比較し、より多くの個数を獲得した選手を上位とする。

採点 中央順位”以内”の個数
選手A 1 1 1 1 5 7 7 1位決定済み
選手B 1 1 1 2 3 3 3 中央順位2以内→4個(3位決定)
選手C 2 2 2 2 2 5 7 中央順位2以内→5個(2位決定)
選手D 3 3 4 4 4 4 6 中央順位4以内→6個(4位決定)
選手E 3 3 4 4 4 5 6 中央順位4以内→5個(5位決定)
選手F 2 5 5 6 6 7 7 中央順位6以内→5個
選手G 5 5 6 6 6 7 7 中央順位6以内→5個

 

上記例で言うと、1~2位をより多く獲得した選手C(5個)の2位が確定する。また、1~4位の個数をより多く獲得した選手D(6個)の4位が決定する。

中央順位”以内”の個数が同じとなる6位(選手F,G)は手順3によって順位を決定する。

手順3:中央順位”以内”の合計値を比較

中央順位”以内”の合計値を比較し、合計値がより小さい数字の選手を上位とする。

採点 中央順位”以内”の合計
選手A 1 1 1 1 5 7 7 1位決定済み
選手B 1 1 1 2 3 3 3 3位決定済み
選手C 2 2 2 2 2 5 7 2位決定済み
選手D 3 3 4 4 4 4 6 4位決定済み
選手E 3 3 4 4 4 5 6 5位決定済み
選手F 2 5 5 6 6 7 7 3+5+5+6+6
=256位決定
選手G 5 5 6 6 6 7 7 5+5+6+6+6
=287位決定

 

上記例で言うと、合計値がより小さい選手F(25)の6位が決定する。

その他

  • このシステムは特性上、原則奇数人数での審査が必要となる。
  • 「スケーティング」とあるがフィギュアスケートでは使われないダンススポーツ特有の順位決定システムである。
  • 順位の決定及び過半数の判定は1位から始め、2位→3位→…と順番に行う(下位を先に決定しない)。
  • 順位以内の過半数を得る選手がいない場合は、ひとつ下位の順位を含めて過半数の判定を行う。